僕には数字が風景にみえる

僕には数字が風景にみえる



ダニエル タメット(著) 古屋 美登里(訳) 講談社

タメット氏はアスペルガーでサヴァン症候群※、そして同性愛者の敬虔なクリスチャン。
とにかくこの世の中にあってはマイノリティーだ。
マイノリティーだとおかしいか?、いや絶対にそんなことはない。
彼の驚きべき純粋さは、超天才的数学と語学の才能をしのぐ資質ではないかと思う。

彼の純粋さを端的に表すこんなエピソードがある。
ある日かれはこの宇宙がどんなふうにできているのか宇宙の果てまで行ってその謎を突き止めようと夢想する。
広大な宇宙を見渡すと、急に畏怖の念に襲われ、気持ちが悪くなってしまった。
自分の領分を越えてすべてを知ろうとする力の限界を感じとったのだ。

抽象的な概念を理解するのが不得意とされるアスペルガーや自閉症の人が信仰を持つのは難しと聞くが、
彼はそれを超繊細で特殊な感覚で感じ取ったのだろう。


さて、タイトル「僕には数字が風景にみえる」について、
タメット氏によると、数字の6は消え入りそうで、1は輝いている。
素数はすべすべした感じで好き、だという。
また、円周率についてはとても美しい風景で、円周率を読み上げるときはその中を散歩しているようだ、とも書かれている。
何とも不思議な話だが、これは映画「レインマン」のモデルになった人も同じようなことを言っている。


「見える」
実は僕もちょっとしたサヴァンの人に会ったことがある。
カレンダー暗記の天才である彼は知的障害で肢体不自由であった。
2000年のある日こんな質問をした。
「Sちゃん、2005年 7月4日は何曜日?」
「・・・・月曜日」
それを聞いてから、おバカな僕はあわてて携帯のカレンダーで探り出した。
「あってる!すげー、どうしてわかるの?」
「・・・・見えるの」
そう言われた。


タメット氏のようにサヴァン症候群で自身の内面について詳細に語ることの出来る人はまれだという。
そのような意味でこの本は貴重であるとともに、彼の前向きな生き方にはとても勇気づけられる。
この分野に興味のない人にとってもお薦めの本だ。


※サヴァン症候群(ウィキペディアより一部抜粋)
知的障害や自閉性障害のある者のうち、ごく特定の分野に限って、
常人には及びもつかない能力を発揮する者の症状を指す。


written by teamほんやら<akira>

テーマ : 福祉関連のおすすめ本 - ジャンル : 福祉・ボランティア

COMMENTS

彼の両親の接し方に感動

YO-SHIと言います。読書ブログをやっています。

この本を私も少し前に読みました。
ひとりの男性の自立の物語として、心を打たれました。
それ以上に、その影にある両親の彼に対する接し方に感動しました。
良い本でしたね。

No title

コメントありがとうございます。
そうですね、僕も両親の愛情にはすごいものがあると感じました。
もし、他に良い本があったらご紹介ください。
YO−SHIさんのブログも参考にさせていただきます。

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